見えないものを見るために

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ひろゆき氏が語る「フェミニズム」について、やっぱり理解はできるのだが

m.huffingtonpost.jp


前回のインタビューの後半がきていた。

ちなみに前半の感想はこちら↓

bookandfree.hatenablog.com


今回は前回よりも無難な話が多いと感じた。まさに日本の現実、だいたいの人が知っている「当たり前」の話に近い。

前半にはいろいろ批判が入っているけれど、ここではひろゆき氏のこの考え方が良いなという部分をピックアップしたい。

うちは「対等でいた方がいい」と思っていて、家のことは必ず半々で分けるようにします。

→この感覚はすごく良いよね。日本の働き女性もパートナーとは対等でいたい、家事は分担したい、話し合いができる相手を望んでいる人が多いと思う。ぴったりきっかり半々なのはかえって難しいような気がするけど、妻さんが良いなら良いのだろう。

日本の方が「もしいつか自分も“あちら”の側になったら」ということを、考えられない人が多いような気がします。

サイコパスが強いと思っていたひろゆき氏がこんな言葉を使うとは。すごいよ。その通りだと思う。いつ自分が「弱者」になるか想像することは難しい。私は弱者になったり、実際に弱者を助ける仕事をしているからこそ、自分事になれた。しかし、最近は、いろいろ既得権が崩壊し始めたから、いつ自分が倒れるかわからないと感じる人は増えたのでは? これが男女の問題まで想像が及ぶかというと、まだまだ発展途上だ。


逆に理解できなかった点はやはりこれでしょう。

多くの男の人にとっては、それが快適だからじゃないですかね。

男性が「自分の利益を最大化する」という意味では便利な構造なので、それを変えたくないって気持ちは分かりますけどね。

→既得権利を持っている人は手放したくないとでも言いたいのだろうか。いつも思うのだが、自分の子どもじゃないの?と。夫婦二人で作った子どもだろ。面倒だからやりたくない、良いとこどりをしたい、なんて自分中心で幼いことだか。それなら急遽には子どもを作らない(少子化の)方がマシではないか。辛い思いをする人は減った方が良い。

よく男性の家庭内疎外の話を目にする。家庭に居場所がないのは、結局、家庭の中心にいなかったからであって、根がない状態、排除されている状態な訳だ。育児に積極的に参加しない、家事も妻任せ、そうした先の未来にあるのが、この現状で、おまけにセルフケアも自分でできないとなると、世話人がいなくなった時に真っ先に倒れてしまう。前半でひろゆき氏が言った「男女の健康のギャップ」はここに原因の一つがあるはずだ。

日本の子育ての大変さは本当にひどい。私は中高大女子校、女性の多い職場で、ずっと女社会で育ってきても、一番男尊女卑を感じたのは結婚や出産が身近にきた時であった。それならキャリアもやりたいこともあるし、結婚は良いや、子どもはいらん、となっていくわな。

でも、中華の彼氏や海外遠征を繰り返しているうちに、これって日本特有の課題なんだと気づくことができた。日本の女性、ハードモードやと。しかも、その社会制度を作っているのは全く当事者ではない「おっさん」たちであったのだ。

アジア一の大学に躍り出たシンガポール国立大学の男子学生が、「日本の東大は男が8割、シンガポール国立大学は男女半々」と、話している動画を見たことがある。対話者の日本人男性は「日本ではあまり問題にならないけど、そうだよね」と、頷いていた。本当にそうなんだよな。医学部の男女点数差問題ももっと怒っていい、取り上げるべき話なのに、さらっと終わってしまった。

余談であるが、シンガポールも女性が強い。中華圏の女性は強いのだ。ちゃんと自己主張するから。そういう意味では、男性の一歩後ろを行く奥ゆかしい古典的な女性像は、社会的に都合の良い存在であったのだろうな。自分が好きでやっているなら理解できないけど良いのだろうけどさ。

最終的には、海外に出てしまうのが選択肢の一つだと感じる。日本のインフラや食文化や文化財の素晴らしさに慣れてしまっているから、なかなかそうも行かない。

あと、これ。

僕は女性の政治家が少ない問題、女の人の頭が良すぎるせいがあると思っています。

→いやぁ、そうかな。バイアスは男女変わらんと思う。政治家は印象や表面的な部分で選んでいる人が多数だ。例えば、古くでは政治学ウォーラスが、有権者の選択は感情、衝動、習慣、連想などの情緒的経験が影響を与えると言った。リップマンはステレオタイプが影響すると言った。要は人間はイメージで選挙する非合理的な存在ということだ。
政治家(役員)=男性というステレオタイプがあるから、ひろゆき氏の女性枠を作るのは、そうしたステレオタイプの打破でもあるのかな。
わざわざ女性が頭の良いと言葉選ばなくても、男女ともにバカなんですと言うのが真理なのかもしれない。(ウォーラスやリップマンはエリート主義でした。)


やっぱりこの連載悪くないと私は思うのだけどな。他のフェミニストはどうなのかな。