見えないものを見るために

人生哲学 元図書館司書 図書館・情報学

【ノンセクシャル】恋愛感情と性的欲求は別物である

セックスができなくてフラれた。

もう何度この不毛な流れを繰り返したかわからない。男女が出会って恋に落ちて、ずっと一緒にいたい、そう思ったのに。
相手の欲求に答えることができず、フラれる。この繰り返しを何年も続けてきた。

私は普通じゃない。きっとノンセクシャルというやつだ。


【性的欲求が他者に向かないという「障害」】

一般的な男女が恋愛すれば、恐らくいずれは性交渉というものにぶち当たるだろう。それは、相手に触れたい、触れられたいという気持ちからくるもので、愛情表情であったり、性的欲求だったりする。好きという気持ち=恋愛感情とすると、恋愛感情は相手に対して性的欲求を生み出すものと一般的には考えられている。

「好きだから、あなたとセックスしたい。」

それが「普通」である、と。今までの私は、この恋愛感情が=性的欲求に繋がるものだと思っていたのだ。

しかし、最近になって、恋愛感情と性的欲求は別のものであることに気付いた。例えば、男性の中には、好きでなくても相手と性的関係を持つ人が少なからずいる。反対に、女性の中には、相手が好きだけど性的関係を持つことに躊躇する人もいる。恋愛と性欲は必ずしも一致しない。同じ相手に同時に現れるとは限らない。そして、これがエスカレートしていくと、私のような存在が表れる。

「好きだけど、相手としたいと思えない。触れられても何も思わない。」

性的欲求が他者に向かないのである。何故なのか…。ずっと苦しんできた。

恋愛感情と性的欲求は全くの別物なのである。

この性的欲求が他者に向かない人々のことを日本では「ノンセクシャル」というらしい。LGBTQ+の1つである。

【出会いはあっても付き合えない】

私の恋愛対象は男性である。男性と恋愛のような甘い気持ちを楽しんだこともある。けれど、その先に行くことがいつもできなかった。

婚活で出会った相手から私の出会いは「運命だ」と、言われたこともある。その人とすら、私は最後までできなかった。できなかったから、フラれた。彼は今、全く別の女性と真剣交際をしており、近日結婚すると思う。

結婚相談所のシステム画面で、たまたま見つけた彼の真剣交際の事実を、ただただ見つめるばかりで、この数週間は放心状態であった。ご飯も食べられなくなって、三キロ痩せた。いくら出会えても先に続かない恋愛は不毛である。

【私は一体何なのか?】

好きな相手に性的欲求が向かないという辛さ。何故なのか、自分でもわからない。

わずかな心辺りは、私には16年間片思いをしていた女性の親友がいたことだ。彼女のことは好きだったし、触れたいとも思った。

もしかしたら、いろんなものがちぐはぐなのかもしれない。

私は恋愛感情は男性に向くが、性的欲求は女性に向いているのかもしれない。それはもう、確認しようがない。

ただ2年間、婚活をしてきてようやくわかったことは、

恋愛感情と性的欲求は別物のであるという。

それだけの事実を、大きな代償を払って、知り得たと思う。